2025/08/18 19:44

お疲れ様です。「香水は苦手」「強い香りはどうしても受け入れられない」。そう感じる人は、日本では決して少なくありません。むしろ「香水を日常的に使う人のほうが少数派」かもしれません。けれど、それは単なる“好みの違い”ではなく、日本人の生活習慣や文化の中に根付いた感覚でもあります。本記事では、日本人が香水を苦手と感じやすい背景を、文化史の視点から見ていきます。今週は、「香りと文化史(歴史・背景)寄り」の内容をコラム調にてお届けしようと思います。少しでも自然の香りに興味を持って頂けたら嬉しいです!


◾️日本人が「香水は苦手」と感じる理由


西洋において香水は、身だしなみや自己表現の一部でした。お風呂の習慣がなかった時代には、体臭を隠すために強い香りをまとうことが必要であり、貴族や市民にとって社会的な必須アイテムでもあったのです。一方で日本は、江戸時代からすでに“清潔”が生活の前提でした。庶民でも湯屋に通い、毎日のように身体を洗うことができた社会では、強い香りで体臭を覆い隠す必要がなかったのです。結果として、「香水をまとう」文化が根付かず、「香水は必要ない、むしろきつく感じる」という感覚が受け継がれてきました。


◾️江戸から続く“無香”の美意識


日本では、古くから「香り=強さ」ではなく「香り=余韻」として捉えられてきました。茶道で焚かれる香木や、平安時代から伝わる薫物(たきもの)は、決して強烈に香らせるものではなく、空間にふわりと漂う“ほのかな香り”を楽しむものでした。また、和歌や物語には「移り香」「残り香」といった表現が頻繁に登場します。香りは前面に出すものではなく、余韻として感じられるもの。そこに日本独自の美意識が反映されています。このような歴史を背景に、日本人にとって「香りが強い=上品ではない」という価値観が今もなお根強く残っているのです。


◾️香りを“まとう”より“添える”文化


西洋が「香りをまとう」文化を築いたのに対し、日本は「香りを添える」文化を育ててきました。例えば、平安貴族が身につけていた匂袋(においぶくろ)は、衣服や持ち物にほんのりと香りを移すものであり、周囲に強烈にアピールするものではありません。江戸時代の名刺香も同じく、紙にやさしく香りを忍ばせる工夫でした。つまり、日本では「香りをまとうこと」で自分を表現するのではなく、「香りを空間や物に添えること」で心を豊かにする感覚が大切にされてきたのです。


◾️現代にも残る“香水は苦手”感覚


この文化的背景は、現代の生活にも色濃く残っています。満員電車やオフィスのように人と密接する空間では、強い香水はしばしば不快感を与えてしまいます。日本では「香害(こうがい)」という言葉さえ生まれ、香りに対する敏感さが社会課題として語られるほどです。その一方で、柔軟剤やルームフレグランスなど、生活空間にやさしく香りを取り入れるアイテムは人気を集めています。ここにも「香りは控えめに」「空間に溶け込むように」という日本独自の感覚が表れています。


◾️香水が苦手なのは“文化的感性”


「香水が苦手」と感じることは、決して特別なことではありません。それは、日本人が大切にしてきた“無香の美意識”に由来する自然な感覚なのです。だからこそ、日本では「香水は苦手でも楽しめる香りのスタイル」が求められています。ほんのり香るお香、季節の草花の匂い、衣服に移るやさしい香り……それらはすべて、日本人の生活や感性に寄り添ってきたものです。次回は、この「ほんのり香る」文化がどのように日常を豊かにしてきたのかをさらに掘り下げていきます。



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