2025/08/20 19:42

お疲れ様です。「香水は少し苦手…」「強い香りを長時間まとっていると疲れてしまう」──そんな声をよく耳にします。けれども、香りの楽しみ方は“強さ”だけで語られるものではありません。むしろ日本には、香りを“空気との距離感”で楽しむ独自の文化が根づいてきました。今日は、その背景を少し覗いてみましょう。


◾️強い香りに敏感な人たちへ


満員電車で隣の人の香水が強すぎて息苦しくなった経験は、多くの人があるのではないでしょうか。香りは人の気分を高めたり落ち着かせたりする一方で、強すぎると“圧”に感じられてしまうこともあります。特に香水に慣れていない人や、嗅覚が敏感な人にとっては、香りの濃度はとても大切です。そこで役立つのが「香りは距離で楽しむもの」という視点です。


◾️日本の香り観|“風にのる”香り


日本の香り文化は、古くから「空気に溶ける香り」を大切にしてきました。平安時代、貴族たちは衣に香を焚きしめ、ほのかに香る“移り香”を楽しんでいました。『源氏物語』では、主人公・光源氏の存在を香りで描写する場面も多く、香りは「人そのもの」よりも「その余韻」を印象づける役割を果たしていたのです。また和歌にも「風にのって香りが漂う」表現がしばしば登場します。たとえば春の梅や秋の菊。直接香りを嗅ぐのではなく、風にふわりと運ばれる一瞬の香気に心を寄せる──そんな“間合い”の楽しみ方が、日本人にとって自然でした。つまり香りとは「主張するもの」ではなく、「環境や空気の一部」として存在するものだったのです。


◾️ヨーロッパの香り観|“纏う”香り


一方、ヨーロッパの香水文化は日本とは大きく異なります。中世ヨーロッパでは衛生環境が十分ではなかったため、体臭を隠す目的で香水が重宝されました。香りは“身を守る鎧”であり、強くはっきりと纏うことが求められたのです。その流れは現代にも受け継がれ、香水は「自分を印象づける手段」として発展してきました。たとえばフランスでは、香りはファッションの仕上げと同じくらい大切な自己表現。距離を置いて香るのではなく、“肌にまとう”ものなのです。


◾️文化の違いが今の私たちに示すこと


こうして比較すると、

  • 日本は「風にのる香り=空気とともにある余白」
  • ヨーロッパは「纏う香り=自己表現の延長」

という対比が見えてきます。つまり「香水が苦手」と感じる人の多くは、日本的な感覚を自然に持っているのかもしれません。強い香りに圧迫感を覚えるのは、むしろ私たちの文化的な嗜好に根ざしているともいえるでしょう。


◾️香水の代わりにできること


では「強い香りは苦手だけど、心地よい香りを楽しみたい」と思ったとき、どうすればよいでしょうか。おすすめは、香水以外の“ふわりと香る”選択肢です。

  • アロマミスト:衣服や空間に軽く吹きかけて、ほんのり香る。
  • 練り香水(ソリッドパフューム):肌に近づけないと分からないくらいの穏やかな香り。
  • お香:部屋に香りの余韻を残し、自分の体には強く残らない。

これらはすべて「香りと距離をとる」楽しみ方に通じています。


◾️香りは“空気との関係性”で生きる


香りを楽しむ方法はひとつではありません。香水を纏うのが好きな人もいれば、風に漂う香りを楽しむ人もいる。大切なのは、香りを強さではなく“距離感”で選ぶという発想です。強い香りが苦手な人は、自分の感覚を否定する必要はありません。むしろそれは、長い歴史の中で育まれた日本的な香りの美意識に近いのです。ふとした風にのって届く香り。余韻のようにただそこにある香り。そんな“間合い”の中で、香りとの付き合い方を見つけていきませんか。


まとめ

  • 「強い香り 苦手」と感じるのは自然な感覚
  • 日本は“風にのる香り”、ヨーロッパは“纏う香り”の文化
  • 香水の代わりに、お香・アロマミスト・練り香水などが有効
  • 香りは強さでなく、空気との距離感で楽しむもの

香りとの距離を、自分らしくデザインする。それが、心地よく香りを楽しむための第一歩なのです。



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