2025/08/23 19:36
お疲れ様です。「香水は少し苦手だけれど、自然の香りなら心地よい」そう感じる人は少なくありません。わたしもそのひとりです。特に日本人は、人工的な強い香りよりも、ほのかに漂う自然の香りを好む傾向にあると言われています。それは日本の文化史とも深くつながっています。
■ 平安時代からの“香りの背景”
その昔、西洋のように香水の文化が根づかなかった日本。その理由のひとつに「自然と調和する感覚」があります。平安貴族たちは香木を焚きしめ、衣に薫香を移す「薫物合(たきものあわせ)」を楽しんでいました。これは自らを強く主張するための香りではなく、四季や心情を映す“余白”のような香り。“香りをまとう”のではなく“香りと共にある”という感覚が、日本人の香り文化の基層にあります。
■ 季節を告げる花の香り
日本では、日常の中に自然の香りが溶け込んできました。たとえば、
- 桜
視覚だけでなく、春風にのる桜の花の淡い香りは、平安の和歌にも多く詠まれました。「花の香」と言えば、桜を指すほど春の象徴的な香りでした。それは、現代のわたしたちにも受け継がれています。
- 菖蒲(しょうぶ)
端午の節句に菖蒲湯に浸かる習慣は、古代中国から伝来しましたが、日本では魔除けや健やかさを願う“生活の香り”として定着。香りをまとうというより、暮らしの中で邪気を祓う力を担いました。
- 金木犀(きんもくせい)
江戸時代以降に中国から渡来。町中に甘やかに漂う香りは、人々に秋の訪れを知らせる季節の風物詩となりました。強く主張せず、空気に溶け込みながら記憶に残る香りです。また、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子(クチナシ)、秋の金木犀(キンモクセイ)として日本の「三大香木」とも言われています。
■ 香水文化が定着しにくかった理由
西洋の香水は体臭を覆い隠す、自己を印象づけるために発展しました。一方で、日本は湿潤な気候と清潔を重んじる文化の中で、体を清め、自然の香りを受け入れる暮らしを続けてきました。そのため、強い香りを日常的にまとう必然性が少なかったのです。また、日本の美意識には「幽玄」「わびさび」といった、控えめで余韻を大切にする感覚があり、香りも“強さより余白”が好まれました。
■ 現代に生きる“香水が苦手”という感覚
現代でも「香水は苦手」と感じる人が多い背景には、この文化史的な土壌があります。強い香りに包まれるよりも、自然と同調するほのかな香りを心地よいと感じる、これは古来から続く日本人の嗜みといえるでしょう。例えば、桜の香りを思わせるアロマ、菖蒲や金木犀を再現したフレグランスミストなどは、“香水が苦手”な人にも寄り添える存在。四季折々の自然を、現代の暮らしにやわらかく取り入れることができます。
■ おわりに
香りは単なる嗜好品ではなく、その土地の自然や文化と深く結びついたものです。日本では「自然と共にある香り」が育まれ、今も“香水が苦手”という感覚の背景になっています。桜、菖蒲、金木犀など季節の移ろいとともに訪れる香りを楽しむこと。それは、千年前から続く日本人ならではのセルフケアの知恵なのかもしれません。この行為、これからも大切に受け継いで行けたらと思います。
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