2025/10/17 19:45

―イランイランとパチュリで、自分に「お疲れさま」を伝える―
お疲れ様です。金曜日の夜。家に帰って着替えを終えたあと、ふと静まり返った部屋に一人でいると、ようやく自分の呼吸が聞こえる気がする。一週間分の仕事、感情のやりとり、気配り。気がつけば、誰かのために動く時間ばかりだった。「もう少し頑張らなくちゃ」と言い続けて、自分をねぎらうことを後回しにしていないだろうか。香りは、そんな“後回しになっていた自分”にやさしく声をかけるためのスイッチになる。
■ 一週間の終わりに選びたい香り
今夜のおすすめは、イランイランとパチュリ。イランイランは、南国の花が持つ甘く濃密な香り。「幸福感を高める香り」とも言われ、心の緊張をやさしくほどいてくれる。どこか官能的でありながら、包み込むような温もりがある。一方のパチュリは、湿った土を思わせるような深みのある香り。大地のように落ち着いた存在感があり、浮き立った感情を静かに沈めてくれる。この2つの香りを重ねると、甘さと安定感がちょうどいいバランスで響き合い、まるで「よく頑張ったね」と自分の心が自分を抱きしめてくれるような感覚になる。
■ 香りのTIPS
🌙 「お疲れさまブレンド」
- イランイラン:2滴
- パチュリ:2滴
- ベルガモット(オプション):1滴
ディフューザーやティッシュに垂らして、照明を落とした部屋で静かに香らせてみよう。香りが空気に溶け込むように広がり、思考や感情の輪郭がやわらかくほどけていく。もし香水初心者や香りに敏感な人なら、ハンドクリームやホホバオイルに1滴だけ混ぜて手首に軽くなじませるのもおすすめ。ほんのり香るだけで、心が緩む瞬間が訪れる。
■ 香りで「がんばり」の終わりを告げる
感情労働に従事する人たちは、“今日の仕事”を終えても、心の中に誰かの表情や声が残ることが多い。香りを感じながら深呼吸することで、心の中の余韻に「終わり」をつくることができる。今日はここまで。ここからは、私の時間。そんな合図を香りが代わりに伝えてくれる。それが「がんばりの終わりを告げる香りの儀式」だ。
■ 小さな夜のセルフケア
- 灯りを落とす
強い照明を避け、間接照明やキャンドルに。光を少し柔らかくするだけで、心の緊張もほぐれる。 - 香りをひと呼吸感じる
香りを“吸い込む”というより、“受け取る”気持ちで。鼻から深く吸い、ゆっくり吐く。その呼吸の中で「今週もよくがんばった」とつぶやく。 - 身体を温める
手首や足首にオイルを塗りながら香りを感じる。自分の手で自分を労わる、その行為が一番のセルフケアになる。
■ 香りと心の距離を近づける
イランイランの甘さは「自分を愛する」ことを思い出させ、パチュリの静けさは「焦らなくていい」と語りかける。仕事では多くの人と向き合い、感情の波を受け止めてきた一週間。そのすべてを“浄化する”というより、やさしく“包み直す”ような夜があってもいい。香りは、心を整える前に、まず心を受け入れてくれる。イランイランとパチュリの甘く穏やかな余韻の中で、自分の中に小さな静けさが戻ってくる。その静けさの中に、「また明日も大丈夫」というやさしい光が生まれていることに気づく。
■ 香りのまとめ
- イランイラン:幸福感・緊張緩和・自己受容
- パチュリ:安定感・深呼吸・グラウンディング
- 使い方:夜のリビングや寝室、就寝前のひとときにほのかに
一週間の終わりに、誰かに「お疲れさま」と言ってもらえなくても、自分が自分に言えばいい。そのひとことを、香りに託して伝える夜があっていい。
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