2026/05/11 19:45

朝起きて、支度をして、仕事をして、気づけば夜になる。特別つらいことがあるわけではない。忙しすぎて限界、というわけでもない。ちゃんと眠れているし、ちゃんと食べている。やるべきことも、なんとなくこなせている。でも、ふとした瞬間に思うことがあります。「あれ、最近、何かがずっと同じかもしれない。」
景色は変わっているはずなのに、毎日が同じ速度で流れていく。気づけば、呼吸まで同じリズムになっているような感覚。理想かもしれないけど、すこし違和感をか感じることがあります。大きく落ち込んでいるわけではない。だから、誰かに相談するほどでもない。だけど、何かが少し止まっている。進めないというより、流れていない。それはまるで、風の止まった日の空気みたいです。
海も静かで、空も穏やかで、悪い天気ではない。でも、帆だけが動かない。そんな“凪の日”のような感覚。それを求めている時もあるけれど、つづきすぎるともやもやする。昔は、変化というと、何かを大きく変えることだと思っていました。環境を変える。習慣を変える。新しいことを始める。もちろん、それもひとつの方法かなと。でも実際は、人の呼吸を動かすものって、もっと小さかったりします。帰り道を少し変えた日。コンビニで選ぶ飲み物を変えた日。いつもより少し早く窓を開けた朝。そんな些細なことで、止まっていた感覚がふっと流れ出すことがあります。
香りも、そのひとつなのかもしれません。
部屋の空気が変わる。
呼吸の深さが少し変わる。
視線の向きが少し変わる。
それだけなのに、なぜか気持ちまで少し動き出す。不思議ですよね。最近は、香りを“特別なもの”として使うより、止まりそうな空気を、ほんの少し動かすために使うことがあります。たとえば、朝の空気を入れ替える時。仕事と夜の境目。何もしたくない日の夕方。ほんの少しだけ、空気を変える。それだけで、同じだった一日の輪郭が、少しだけ変わることがあります。
毎日を劇的に変えたいわけじゃない。でも、ずっと同じ呼吸のままではいたくない。そんな時に、香りは案外やさしく、風を通してくれるのかもと。凪の日が悪いわけではありません。静かな日があるから、人は落ち着ける。でも、ときどきは、ほんの少しだけ風が吹くといい。呼吸が動き出すくらいの、小さな風が。そんなことを思う今日この頃です。
SHINCOQ
暮らしに、深呼吸を
