2026/07/15 19:45

「時間がない。」
最近、その言葉を何度も口にしている気がします。暑さも重なって、気づけば毎日が効率優先。少しでも早く、少しでも楽に、と考えている自分がいました。もちろん、それが悪いわけではなく。ですが、「これでいいかも」と選んだことが、あとになって「なんだか違ったな」と感じることも増えた気もしています。
暑さで体力を使い、忙しさで頭の中もいっぱい。まるで満員電車のように思考が詰まっていると、気持ちを聞く前に動いてしまいます。本当は、ひと呼吸おきたいのに。そのひと呼吸さえ、暑さの中に置き忘れてしまうのです。だから最近は、「長い時間がなくてもいい」と思うようになりました。
5分でも、深く味わえたら、それだけで季節はちゃんと心に残るのではないか、と。たとえば、日差しがまだやわらかい朝に、風を感じること。遠くから聞こえる蝉の声に耳を澄ませること。レモンスカッシュに添えられたミントの香りに、思わず深呼吸すること。暑さを避けて入った喫茶店で、冷たいグラスを見ただけで少し心が弾むこと。空を見上げて、ひつじ雲に子どもの頃の夏休みを思い出すこと。など、どれもほんの数分のできごと。だけれども、心に余白があると、その数分は思っている以上に豊かな時間になります。
時間の長さは変わらなくても、その時間の密度は変えられるのかもしれない。だから私は、この夏を「たくさん予定を詰め込んだ夏」ではなく、「ひとつひとつを味わった夏」にしたいと思っています。
幸せは、時間の長さより、味わい方で決まる。そんな夏が、一番記憶に残る夏かもしれないので。
SHINCOQ
暮らしに、深呼吸を
